回想シーンでご飯3杯いける

ブルー・アンブレラの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ブルー・アンブレラ(2013年製作の映画)
3.6
みんな大好き、街中にある「顔に見えるもの」。傘を筆頭に、窓や信号機、溝蓋等が、さりげなく顔に見える。その塩梅が見事。おもちゃや車を擬人化してきたピクサーの、正に真骨頂を味わえる。

ピクサーにしては、異色の実写に寄せた3DCG。これまでに「カーズ2」や「トイ・ストーリー3」に携わってきた監督のサーシャ・アンセルドによれば「都会が魔法のような場所に変わる瞬間を強調するためには、魔法の世界に入る前の現時的な世界を描くことが重要だった」との事。なるほど、ピクサーにしてはポップさが足りないとも思える前半があるからこそ、後半の夢に溢れる世界が愛おしく思えるのだろう。

どこかノスタルジックな雰囲気が漂う音楽も良い。ピクサーにとって異色のようで、実は王道なのかもしれない、唯一無二のショートムービー。