方眼

舞妓はレディの方眼のレビュー・感想・評価

舞妓はレディ(2014年製作の映画)
4.1
2014年。おおきに〜、すんまへん、おたのもうします〜。草刈民代のお竜さんからの、富司純子。京都の花街、舞妓と芸妓の世界に飛び込んだ少女の成長をミュージカル仕立てで描く。映画には主演女優が牽引するタイプのものが一定数あるが、こんなにスタッフ・キャスト・観客まで巻き込んで主役に魅入らせるのも珍しい。ストーリー上も、映画製作でも、歌でも踊りでも、上達過程を見守る視点。春子が声が出なくなりしょんぼりしている部屋に、千春が「甘いもんでも食べよか」と言って訪れるシーン。千春の回想でMoonLightのMGM風ダンスになる楽しい飛躍があるが、部屋内では春子の顔が手鏡に映るように位置付けられる。ここ最初、二つの心(話す/話さない)を表現するのかと思ってたが、クライマックスの展開まで見て気づいた。鏡の中にいるのは春子の母で、彼女を見守っている。ミュージカル映画としては、セットでのダンスと舞妓の踊りは良いが、普通の場面でのシーンは画面密度なのか動作と構図なのか、没入感が薄い仕上がり。小津から伊丹(津川雅彦!)へと続く日本映画の系譜。
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