ダンクシー

アメイジング・スパイダーマン2のダンクシーのレビュー・感想・評価

3.7
「どんなに辛くてもどんなに悲しくても絶対に希望を捨てないと約束してください。明るく苦しみを乗り越えあなた方自身が希望になってほしい。それが大切です。たとえ及ばずともそれが最高の人生です」

何度も観たけど、昔よりも今観た方が面白く感じた。スパイダーマンは等身大。ヒーローでも友達や恋人や家族のことで悩んでいる。どこにでもいそうな若者なのがいい。顔は分からなくても、自分や他の誰かに置き換えられるのが魅力。
アメイジングシリーズは、ミステリー要素が追加された事で面白くなった。ピーターの両親と研究の謎。追っていく・明らかになっていく過程がスリリング。ラブコメ色も強いからその分胸に来るものがあります。。

今となってはエレクトロに共感できる点が多い。会社からは存在ごと隠蔽され、挙句に大衆から怪物と決めつけられ、危害を加える気は無いのに怪物扱いされ危害を加えられる。そんなの自衛するしかないから反撃するのは当然。そんで誰からも注目も相手にされなかった人生で初めて世界中から注目される。それを全てスパイダーマンにかっさらわれて美味しいとこ取りされたらたまったもんじゃないよな。やっぱコイツ、人間臭すぎる。承認欲求って誰にでもあるけど、今まで誰からも承認されることのなかった奴って承認欲求が肥大化していってどんどん色んな人に知られたい!って気持ちが強くなっていくからリアルだった。

「どこまでも君について行く。死ぬまで君といる。だってイギリスにも犯罪はある。山ほど犯罪が」
「あるわ」
「有名な切り裂きジャックも。まだ捕まってない本当だ」

アクションは凄まじかったが、中身はイマイチだ。ストーリーは、サム・ライミ版のスパイダーマン2の良かった所を掻い摘んでそれっぽくペラペラに描き、スパイダーマン3の悪かった所を全部模倣したのがアメイジングスパイダーマン2。

まず作品内随所に説明不足と唐突感が見られる。
1でグウェンの父との約束をすぐさま破った軽さは相変わらず健在のまま、カップル関係が良い感じに続いてると思えば急に父との約束が脳裏にこびりついて離れない、約束を守れない自分を責めて別れる(なんやこれ)。かと思えば未練タラタラで、大して葛藤してねぇくせに情けなすぎだろ…って感じだし。
敵も敵だよ。ハリーなんて1で出てねぇじゃん。明らかに描き足りてない。終始マジでなんなんだよコイツって感情しかなかったし。

愛する人か、街の平和・市民の安全か。どちらをとるかで深く悩み葛藤し、真剣に考えて答えを出そうとしたのがサム・ライミ版。アメイジングシリーズは基本全て中途半端に描かれていて、アンサーがあまりにも響かない。悲壮感こそあれど、作品としての重みが足りない。勿体ないなー。。

あーだこーだ言いましたが、いつ観ても普通に面白いし楽しめるのでスパイダーマンは素晴らしいですね。エンタメとして振り切って観たらクソ満足作品でしかないのだ!!
ダンクシー

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