イチロヲ

幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
行方不明の兄(中村敦夫)を捜索する妹(松尾嘉代)とその彼氏(中尾彬)が、兄の恋人(小林夕岐子)が居住している山奥の洋館へと赴く。イギリスのハマー・フィルムを模倣している、東宝産のヴァンパイア・シリーズ第1弾。

いわくつきの家系の確信に触れようとするヒロインが、誰も味方になってくれない、孤立無援の状況に陥る。怪奇映画の定石を踏んでおり、すべてが予想通りの展開になるが、雰囲気重視の作品としては上々の出来栄え。

何よりも、若い女吸血鬼がネグリジェ姿のままで、純和風の怪談のようにフワッと登場するところが良い。吸血鬼が映像に不在のあいだも、ヒロインがミニスカート姿でアグレッシブに動き回るので、眼福にあずかることができる。

ある便利要素を動機づけに利用しているため、「もう何でもアリじゃん!」というツッコミが止まらなくなるが、基本的にナンデモアリを楽しむための作品なので、本作に限っては妥協点として受け入れるべし。
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