みかんぼうや

パトリオット・デイのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.2
2013年4月に起きたボストンマラソンでの爆弾テロとその犯人追跡を追った作品。映画としてのクオリティも非常に高く、物凄く緊張感と臨場感に溢れるかなりの良作でした。ちぃさんさんのレビューをきっかけに視聴しましたが、いい映画を教えていただきありがとうございました。

実は、この事件のことはとてもよく覚えていて、当時北米(カナダですが)に住んでいたので、ほぼリアルタイムにこの事件を現地のTVニュースで観ていたのです。ホストファミリーの家にいたのですが、その卑劣で残酷な事件にかなり胸が締め付けられたが故に、本作での爆発シーンは、その臨場感もあって、観ていて苦しくなり思わず観るのをやめてしまいそうになりました。私は直接の被害者でも何でもないのに、そう思わずにいられないほど、痛ましい事件だったと思います。

しかし、当時それほどの思いを持ったにも関わらず、恥ずかしながら事件のその後のことは現地ニュースでしっかり追っかけていなかったので、事件後の犯人逮捕劇がまさかこんなに壮絶なことになっていたとは知らず、驚きとともに、地元警察やFBIの平和を守るための迅速な判断と対応の凄さを改めて感じました。

映画としては、警察やFBI側の視点と、犯人側の視点の両方で描かれており、構成としてもとても分かりやすく、映画がスタートする爆発直前からラストまで、少しの予断も許さぬ緊張感を保ち続け、130分強があっという間でした。

後半には、戦争映画さながらの迫力のシーンが用意されており、これは映画としてさすがにだいぶ盛ったのかな?と史実を調べてみると、逆に極めて史実に忠実だったことが分かり、物凄い事件だったことに改めて驚きつつ、映画としてのクオリティの高さを再確認させられました。

事件の内容が内容だけに、アメリカ讃歌的な部分や感動的な話に仕上がっている部分は、人によって引っかかるかもしれないが、ラストの本人たちのインタビューや、実際にボストン市民はこの事件を忘れず前向きに動いているので、私個人はそこまで気になりませんでした。

史実の事件を描いたドラマの中でも、かなり見応えのある作品だと思います。
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