白血病の娘を抱える両親が、その娘の延命(臓器移植等を行う)を目的として生んだドナー・チャイルドの末娘。娘の白血病が進行する中、その末娘が、自分の体を守るために、その両親を提訴するという話。
爽やかな音楽とテンポ良く進む展開なので、作品全体としてはヒューマンドラマとして観やすいですが、実は重病を抱える患者の意思の尊重と家族の向き合い方、そしてドナー・チャイルドの権利をテーマにした、かなり重いテーマの作品。
序盤はどんな展開になるかと思いましたが、終わってみれば、王道の闘病系ヒューマンドラマに落ち着いていたと思います。王道と言っても、過度に泣かせにくるノイズに感じるような演出はあまりなく、ストレートに胸に刺さりました。
未来ある若者の闘病物はやはり観ていて辛い。闘病物自体を結構久しぶりに観たので余計に泣かされました。ちなみに、監督が「きみに読む物語」のニック・カサヴェテスであることを、観終わった後に知りました。この監督のヒューマンドラマは、安定して面白いですね。