emily

昼下がりの背徳のemilyのレビュー・感想・評価

昼下がりの背徳(2014年製作の映画)
3.1
カナダのトロントのレヴィンソン賞の授賞式、若き建築家のルークが受賞する。そんな彼に声をかけたのはかつて関係を持ったリンゼイだった。ルークは過去を思い出す。リンゼイと密会し心惹かれていくが、同時に妻は精神的に病んでいき、彼女にも秘密があった日々・・

 モダンかつ雪景色に映える建築物の数々、美しい雪景色、湖、静かな時間が流れる背景の中で、男と女の目線が交わり恋のはじまりの瑞々しさから泥沼のW不倫状態へ。リンゼイの部屋の窓からは美しい夜景が浮かびあがり、開放的で罪悪感のかけらも感じさせない色彩で描いていく。どろどろ感よりも妻の精神を病んでいく描写に時間を割いており、幾分心情描写は薄い物の、妻の葛藤が夫の葛藤を上回っていき、夫はなすすべのない状態を自動的に作られてしまうのが良かった。優柔不断な態度は最悪な結果を招いてしまうが、二人にとってはそれでよかったのかもしれない。お互いに愛していても、一緒に居ることで苦しめあってしまう男女も居るだろう。離れている方がその愛情を継続できる・・そんな形もあるだろう。すべては時間が解決してくれる。
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