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ドリーマーズのkojikojiのレビュー・感想・評価

ドリーマーズ(2003年製作の映画)
3.7
エヴァ・グリーンが若く美しい。初々しいと思っていたら、デビュー作だった。彼女がフルヌードを惜しげもなく披露している。性描写のシーンが激しいとされて、ほとんどの国で年齢制限されてR-15以上の指定となっているとのこと。

一方、監督ベルナルド・ベルトルッチは、この時63歳。「ラストタンゴ・イン・パリ」から20ぶりにパリを撮ったエロスにあふれる青春映画だ。
こんな青春映画を撮りたいと思って、エヴァ・グリーンを見出したのか、エヴァ・グリーンに会ってこんな映画を撮りたいと思ったのか。私は、勝手に後者に違いないと思っている。それぐらいエヴァが美しい。

1968年、パリ。創設者のアンリ・ラングロワの解雇に抗議するため多くの学生がシネマテーク・フランセーズに集う。
アメリカ人留学生マシュー(マイケル・ピット)はそこで双子の姉弟イザベル(エヴァ・グリーン)とテオ(ルイ・ガレル)と出会う。3人は映画の話で盛り上がり意気投合する。バカンスで両親が長期不在の中、マシューは彼らの家へ招待され、映画ゲームに興じながら泊まり続けることになる。
やがてそれが、奔放な性的戯れへと発展していく。
外では学生運動が激しさを増す中、3人は危うい関係になっていく…。

ベルトリッチが63歳になってもこんな映画を撮ろうと思い立つこと、そのバイタリティ自体はすごいと思うが、私は3人のなんとも危うい関係に、その若さに正直なところついていけなかった。改めてこの手の映画のレビューは弱いことを知った。

3人が興ずる映画ゲームでは、監督のヌーベルバーグへのオマージュが強いとして、数々の古い名画のシーンが織り込まれている。映画ファンとしては非常に興味深い。ただ私は半分ぐらいはわからなかった。

延々と、3人の危うい時間が続いた後、ラストは外に飛び出してデモに加わる。5月革命の学生と警察の熱い衝突へと雪崩れ込んでいく。この展開は監督の思いの中にその時代が脈々と生き続けているような気がした。


観終わった後の正直な感想は、
「だから何?」
だった。

しかし、よくよく考えると青春時代とは、とどのつまり、第三者には「だから、何?」なのかもしれない。
確かにあの時期、客観的に見るならば、
「だから、何?」の繰り返しだったような気がする。

No.1511 2023-541
2004年 イギリス🇬🇧/フランス🇫🇷/イタリア映画
監督: ベルナルド・ベルトルッチ
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