ゆきえい

もうひとりの息子のゆきえいのレビュー・感想・評価

もうひとりの息子(2012年製作の映画)
3.8
18年前、混乱の中入れ違えられた新生児。
かたやユダヤ教のイスラエル人。かたやアラブ教のパレスチナ人。
高く長く続く壁に隔てられた、対峙する2つの地区で育てられた2人の息子たちアイデンティティを問う。

育った環境は全く逆でも、彼らのルーツがお互いの家族にぴったりはまっていく感じと、必死に自分達のアイデンティティーを模索しあう彼ら。宗教も歴史もあまりにも違いすぎる入れ違いに葛藤するその周りの家族たち。それが言葉少ないながらもよく描かれていて、じっとりと伝わってきます。

その壁を越えるには通行証が必要、仕事の場所も制限され、貧富の差があまりにも大きく、パレスチナ問題などテレビの向こうの話でしか受け止めてなかったことを、すごくこの映画を通じて調べ、考えさせらたり。

日本だとあまり感じることのない自分のアイデンティティーやルーツ。
うちは旦那さんはイギリス人なので、うちの子供たちもこれからそういうことを色々考えていくんだろうな。双方の家族で文化も宗教も言葉も全く違う中で、自分らしさを大切にできるよう、このお母さんたちこような寛容さを忘れないようにしよう。