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ウォールフラワーのvenom9のレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
4.0
ビター&スイートな、青春映画の良作。
本作タイトル、はボブ・ディランの名曲「ウォールフラワー」を連想せずにはいられませんが、原作者/監督のスティーブン・チョボスキーの頭の片隅にこの曲があったのか、はてさて。
主人公のチャーリー(演:ローガン・ラーマン)はもの静かで周囲と上手に関係を作れずひとりになりがち。ある日チャーリーはパトリック(エズラ・ミラー)とその異母兄妹サム(演;エマ・ワトソン)と意気投合し上級生グループに加わり、キラキラした、そしてほろ苦い青春のひと時を過ごすのです。
米国のスクールものの映画やドラマの若気の至りは苦手なのですが、本作はチャーリーが繊細でおとなしい人物、パトリックが明るくエキセントリックな性格とバランスが良く、あまり嫌な感じがしません。ドライブ中にスライディングルーフから身を乗り出し風を受けるサムの姿が印象的で、名シーンです。終盤チャーリーもやってましたね、青春ですね。パトリックの喧嘩のシーンも記憶に残っています。青春です。そして、チャーリーの心に影を落とす幼い頃の暗鬱とする体験、辛いです。
しかし、周りと馴染めずひとりぼっちの設定は米国の映画やドラマで散見されますね。米国の学校生活の過酷さに戦慄します。
過去と向き合い一歩前進することができたチャーリーの頼もしい姿と、希望に満ちた大団円に言葉にできない温かみを感じつつ、過ぎ去った我が青春のひと時を想い、ちょっと悲しくもなりました。
(配信で何度か鑑賞)
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