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ペトラ・フォン・カントの苦い涙の42のレビュー・感想・評価

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破滅に近づいていく。他人はきっかけに過ぎない。自ら向かっていた。なぜいつも破滅に向かって行ってしまうのだろう。性格もあるかもしれないけど、やっぱり孤独が大きいだろうな。共通点は孤独。

カーリンの両親の話をするシーンの美しさ。
どこを切り取っても本当に美しいけれど、あのシーンは特に美しくてとても好きだった。

ラストシーン、愛などでは全くなくて一種の欲だったんだと思うとゾッとした。そういう人もいるのかもしれない。"ある症例について"…破滅に向かわないならいいのか…別に。みんな変だ。マレーネを眺めているペトラも少し笑っているように見えたし。
カーリンが巻き込まれただけのようにも思える。二人の狂気。それにしても異常な空間。見ているだけでも長居したくない空間だと思った。あの部屋にいると想像するだけでだんだん頭痛が酷くなっていく。

戯曲に穏やかさはない。幸せも。
劇だ。「うわあ」って感じがまさに。
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