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サラゴサの写本
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目次

『サラゴサの写本』に投稿された感想・評価

TS

TSの感想・評価

3.0
短文感想 70点
凄まじく高評価の中申し訳ないスコア。悪い感じは全くなく、自分には少し早すぎたのかな、と思う作品でした。とあるフランス将校がサラゴサで豪華な写本を発見し、その写本の物語に入っていくというもの。しかし、今作の特徴的なところはその物語の中で更に違う物語の話に入っていくというところにあります。物語の多重構造であり、それぞれの話を把握するのには手間がかかります。夢か現か。我々の普段の生活も夢と現実の狭間にある様な気がします。音楽もよく、不思議と満足感を得られる作品ではあると思います。あまり響かなかったものの、いつか再挑戦してみたいクラシック作品でありました。
継

継の感想・評価

5.0
「我々は見知らぬ街をさまよう盲人のようなもの. 目的地を目指し通りを歩き続けるものの, 気づけばまた同じ場所にいる…」     
                   ー登場する数学者の台詞抜粋.

'65年, ポーランド製モノクロ.
ナポレオン戦争時代のスペイン, サラゴサ。
銃弾が乱れ飛ぶ冒頭の市街戦。だがその劇伴にはベートーヴェンの第九が流され, どこか飄々とした雰囲気が。

被弾した衝撃で天井から降る砂埃は, 差し込む陽の光に照らされてキラキラと舞い落ちる。
レストアされたモノクロ画質は野外/屋内ともに明暗のコントラストが効いていてとても美しい。
男が階段を上がって二階の部屋へ入るまでを映すと, カメラ🎥は部屋の片隅に置かれている写本が画面手前に現れるまで後ずさりをし続け, そこで動きを止めるとピタリと構図がキマる。異端審問官が現れるシーンもそう。アングルや奥行きを活かしたカット, 滑らかなカメラの動きが心地良い。

吊るされた盗賊の傍らで翼を休める禿鷲, 剣にとぐろを巻く毒蛇, 宿屋の地下に広がる秘密のハーレム, 異教徒(イスラム)の姉妹の誘惑, 髑髏💀の盃…「千夜一夜物語」を連想さすような幻想絵巻の摩訶不思議を, ポーランドの前衛音楽家ペンデレツキが助長し, 時に逆撫でしていく。
『シャイニング』や『エクソシスト』, そして同国のワイダ『カティンの森』でもこの人の既存の作品は引用されたけれど, 今作では一から音楽を制作し, 主に前半部は傾倒していた電子音響によるアヴァンギャルドなノイズを多用して異様な効果を生み, 恋愛も描く後半部では典雅な弦楽の響きで高貴な男女のそれを演出する。

フラメンコ調のギターが鳴ったりもするけれど, 岩山のロケーションをはじめ, 酒場や娼館, 教会などマドリードの街を再現したセットはすべてポーランド国内に建造したものだそう。
駆け巡る馬の躍動感や, 前述のハーレム, カバラ修験者の城やその書斎の小道具や装飾, 物売りや物乞いが行き交うリアルなその息使いはセットを生活感ある「街」たらしめているようだった。

⚔📖💀🐎🐍🦅🐐💃💋

ポーランド貴族ヤン・ポトツキが著した奇書『サラゴサ手稿』の映画的翻案。
2部構成でトータル3時間を超す長尺だが, 何一つ堅苦しい所が無い。
前述の『カティンの森』は言うに及ばず, ポーランドの特にこの時代の映画なら政治色が強いものと誰もが思うけれど, 本作にはソ連や独軍の軍靴の響きはおろか, 翻弄され傀儡となる政府や犠牲になる人々の姿は皆無。飄々と↑書いた通り,もう潔いくらいに「のほほん🐷」としているのだ。

ただ冒頭↑に引用した台詞のように, 今作は終盤に明かす「種明かし」を悟られぬよう, 時に「2重〜4重の入れ子構造」なんて特殊過ぎるレトリックを用いて幾つかの地点で話を交錯させ, 観る者を煙に巻きます。
些細な仕草や台詞, 互いの名を何故か間違える兄弟や一人二役で登場する男(ムンク『鉄路の男』のオジェホフスキ役の俳優)等は, 物語を透かし見る鍵🔑,重要なヒントなのだけれど, 初見でその仕組みは決して判らない構造。

夢とも現実とも測りかねるジプシーの体験談。
それを幾何学の原理を用いて解釈せんとする数学者と, 信仰の神秘に依らんとするカバラ修験者。
両者の狭間で右往左往し, 物語の渦中を彷徨いながらもそれが合理的に収束されるを知るに至り, 急かされるように旅立ちを促さる主人公。。。

ソフトには遠山純生氏による詳細な解説リーフレットが同梱されていてそれを読めば理解は出来る, 下手すれば映画観なくてもコレさえ読めば全て判ってしまうww.
種明かしモノって, 種を知ってしまうと面白みが半減するモノと知った上で観直すと “そうだったのか!”ってなる2つに大別出来るけど, 今作は完全に後者。

観終えて感じるのは, 特に二度目以降の鑑賞がより味わい深く愉しめるという事です。
展開・台詞には込められた意図があり, 美女揃いの女優陣は胸の谷間を惜しげもなく見せつけ(笑), 貴族, 司祭, 貴婦人, 娼婦etc.多種多彩な登場人物の衣装・小道具等の美術, 撮影, 重層構造を成す身の上話の仕組みや, 複雑なその手法を取る意味,つまりは実際の登場人物と話の中のみの登場人物…。

そもそもが3時間超えの映画。
最初から無理して一気に観通して訳分からぬまま種を知ってしまうのはとても勿体無い気がします, 高価なんだし(笑)。
元を取るにはww, まず初見時はリーフレットを封印して小説を少しづつ読み進めるようにチャプター毎とかある程度区切って観るのが良いんじゃ?と思います。
種は知ってしまえばそれまでな訳で, それ以外の上述した過程・内包する意匠こそを愉しめる方なら, 大枚💸を払う価値がある作品です(^^)。
McQ

McQの感想・評価

4.0
語りの中の語りの嵐!

カルト扱いされながらも多くの方々に「オールタイムベスト!」と言わしめるその内容や如何に。

敵対する二人の男が争いを忘れ「サラゴサの写本」に夢中になるところから始まり、その先はチブルスキー演じる主人公の話が基本となるものの、超多重構造世界!

話の中で一人が語り始めると、その語りの中でまた別の語りが始まり、その語りの中でまた別の語りの、、語りの中の語りの嵐!

更には幻想世界へのトリップがこれまたぐるぐると、、

観てもパニック。書くと余計に意味わからない。

このパニック具合がクセになる面白さ!笑

「砂時計」と同様3時間超えと長いので途中途中退屈にはなるけど、これもジワジワ後からめっちゃくる。

個人的には「砂時計」のが好きだったけど、どちらもスコアは変動しそう、、

チブルスキー氏がめっちゃ巨体化していて、ちょっとマット・デイモンに見えた笑

『サラゴサの写本』に似ている作品

ツィゴイネルワイゼン

上映日:

1980年04月01日

製作国:

上映時間:

145分

ジャンル:

3.9

あらすじ

士官学校の教授・青地豊二郎と、元同僚で無頼の友人・中砂糺は、旅先の宿で弟の葬式帰りだという芸者・小稲と出会う。1年後、結婚したという中砂の家を訪ねた青地は、新妻の園を見て驚く。彼女はかつて…

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