ENDO

黒い天使のENDOのレビュー・感想・評価

黒い天使(1946年製作の映画)
3.8
先出された映像を後になって回想する観客はその朧げな記憶を振り絞るものの確信が持てない。その点ではデュリエと同じ立場である。被害者が蛇蝎の如く嫌っていた曲が流れたままでの絞殺。時間の伸縮される媒体が映画である。編集による気まぐれな自在さで観客の時間把握を拒む。扉の揺らぎだけが犯人の形跡となる。人妻とピアニストの邂逅が奇跡的に産んだ曲が胸を打つ。一瞬の関係はレコードに刻まれた。ローレの思わせぶり。部下の背中で擦るマッチ。どうでもいいが改めてデュリエとベーコンって似てる。
ENDO

ENDO