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ビフォア・ミッドナイトのEDDIEのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
4.2
ビフォアシリーズ三部作完結編。運命に弄ばれるジェシーとセリーヌ…18年の時を経た2人の恋の行方は。
23歳だった2人はもう41歳。立場も背負うものも変わった現実的な2人のやり取りが妙にリアルだが、芸術的な会話劇は健在。

▼前々作『ビフォアサンライズ』のレビューです。
https://filmarks.com/movies/37019/reviews/82635662

▼前作『ビフォアサンセット』のレビューです。
https://filmarks.com/movies/27561/reviews/94368831

前作を前に観たのが2020年7月30日のリチャード・リンクレイター監督の誕生日でした。
さすがにそこから9年は待てませんでした(笑)
2029年とか自分は何してるんだろう。

ひとまず三部作を遂に観終えて、宝の持ち腐れ状態だったBlu-rayセットの役割を完遂させました。

これ1作目からちゃんと追いかけている人からすると、冒頭から驚きの展開ですよね。

ウィーンでの最高の出逢いをきっかけに、半年後にまた会おうと約束しながらも9年も再会できなかった2人。
そして、9年後に再会して一緒の時を大切に過ごした32歳の2人。互いの道を歩んだジェシーとセリーヌはそのさらに9年後、まさかの展開に。

自分がどのライフステージにいるかで、三部作のどれがハマるかは人それぞれだろうし、逆に年を経るごとに好みすら変わりそうなどれも傑作たりうる至高の恋愛映画。
前作同様、リンクレイター監督とイーサン・ホーク、ジュリー・デルピーが共同で執筆した脚本は多数の映画賞を受賞しています。
改めて調べてみたら、「ハリウッド映画賞」「ボストン・オンライン映画批評家協会賞」「ロサンゼルス映画批評家協会賞」で脚本賞、「サンディエゴ映画批評家協会賞」「インディアナ映画批評家協会賞」「ユタ映画批評家協会賞」で脚色賞を受賞していました(ここでいう脚本賞と脚色賞は定義が違うのでしょうね)。

とにかく会話の応酬が凄いのは相変わらず。観ていて微笑ましかった2人の会話はそれぞれが親となり、それなりの立場を踏まえた上での発言になり、より現実味を増しています。
それでもラストの心地よい終わらせ方は流石だなと思わせられるほど。見事2人の物語に終止符が打たれた感覚です。

ただ来年2022年で再び9年が経過します。さすがに続編の噂話は聞かないのでないとは思いますが、いまだ俳優として大活躍中のホークですからね、ないと思いながらも期待してしまう自分がいます。
続編はなくていいと思っていますが、もしあったとしたら観に行くんだろうな。2人とも50歳かぁ。

※2021年自宅鑑賞73本目
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