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明日の空の向こうにのmhのレビュー・感想・評価

明日の空の向こうに(2010年製作の映画)
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ロシア(となってるけど、ウクライナかも)から、ポーランドを目指す三人の孤児のロードムービー。
・時代設定はないけど撮影された2008年時点の現代と考えるのが妥当か。
・孤児の中から探してキャスティング。
・探し出した孤児はチェチェン人とのことなので、その設定は本編にも引き継がれているのだと予想できる。
ググって出てきたデータはこのくらい。情報がとにかく少ない。
ここでは生きていけないとか、ポーランドを目指そうみたいなことは言わないしプロットにもなってない。なのに意図していることはちゃんと伝わってくる。
んで、主人公の弟が半端なくかわいい。ここだけ「ミツバチのささやき」になってる。テディベアをかわいがっていたり、お嫁さんをほめたりかわいい無双がすごい。そのキャラをストーリー展開に利用しているのはアドリブなんだと思うけど、思い切りが良くて好感持てる。
でてくるのはいいひとばっかりだったので、ラストに出てくるはすっぱな受付嬢のキャラ造形が意外だった。監督さんの嫌いなタイプなのかと思ったら、監督さんは女性でこれまた意外。
クライマックスの、弟のかわいさVSぶっちょう面した警察官で笑ってはいけないシリーズ一本できる。この対決がとんでもなく面白い。
ロマたちの結婚式や、明るいけど終末的な余韻のあるロマバンドの演奏も、華を添えてて始終楽しい雰囲気。
「異端の鳥」に出てきたような、山奥に住んでる世捨て人みたいなひともいた。こちらは、炭焼き小屋を営んでいた。
あと、ポーランド日本合作とのことなんだけど、日本の気配はつゆとも感じなかった。
小粒であることを自覚している映画作りしてて、そのうえで最高のものを生み出しているように思った。
面白かった。
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