れもん

映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)のれもんのレビュー・感想・評価

5.0
2013年公開の『ドラえもん』の映画シリーズ33作目(「第2期」8作目)。
23作目『のび太とロボット王国』以来11年ぶりの、原作や原案の無い完全オリジナル作品。

素晴らしい出来だった。
間違いなく、これまで観てきたシリーズ33作品の中では最高傑作。

監督は、27作目『のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』、31作目『新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』と同じ寺本幸代。
脚本は、31作目、32作目『のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』と同じ清水東。
あの32作目と今作の脚本を書いたのが同一人物だとはにわかに信じがたい。笑

謎解きあり、笑いあり、涙ありのストーリーは『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』を彷彿とさせたが、あちらが2021年公開であることを考えるとむしろこちらが元祖か。

レギュラーキャラクターにもゲストキャラクターにも嫌悪感を抱かず心穏やかに観られるが、随所に謎解き要素を散りばめることで退屈はさせない見事なバランス。
怪しいキャラクターが複数いたり、きちんと伏線を張ったり、意外と本格的な謎解きだったのが好印象。

誰も傷つけない+いつもの顔芸ではない笑いをたくさん用意していたのも良かった。
何度も野良猫化するドラえもんや何度も噛みつくスッポンロボの天丼も印象的だったが、個人的には怪盗ドラックスのキモすぎる姿が一番ツボだった。笑

また、くどすぎない演出で描かれるドラえもんとのび太の友情も良かった。
キャラクターが泣いたり叫んだりしなくても、グッとくる物語は描けるのだ。

全体的に、特に文句をつけるべき点が見当たらない。
欲を言えば、私の推し・出木杉の出番が欲しかったということくらいか。笑
結局ペプラー博士がただの厄介者でしかなかったのが気になったりはしたけど、彼も憎めないキャラクターではあった。
活躍した後のポポンがピンチになって、それをペプラー博士が救う展開などがあればもっとバランスが良かったかなとは思う。
ポポンの性能的にキャパオーバーでピンチにならないのは不自然ではあったし。

今作はゲスト声優が邪魔になっていなかったのも評価したいポイント。
中でも、マスタードを演じた松平健は普通に大御所声優かと思って観ていたくらい上手かった。

オープニングの『夢をかなえてドラえもん』は段々と耳に馴染んできて、最近は気づけば鼻歌で歌ってしまう。
世代的に「アンアンアン♪」でテンションが上がる体になっていたけど、「シャララララ♪」でもテンションが上がる体になってきた。笑
エンディングの『未来のミュージアム』も可愛くて良い歌。
Perfumeの機械的な歌声が『ドラえもん』に良く合っていた。

【2022.08.23.鑑賞】
【2022.08.23.レビュー編集】
れもん

れもん