れもん

法廷遊戯のれもんのレビュー・感想・評価

法廷遊戯(2023年製作の映画)
3.0
誰かが絶賛していた+永瀬廉が主演だったので観てみたけど、正直かなりnot for meな映画だった。
ちなみに一緒に観ていた夫は途中で寝た。

観始めてすぐ、戸塚純貴が無駄にうるさく悪態をつきまくっていた時点で嫌な予感がした。
その予感は永瀬廉を取り囲む学生たちが謎に『We Will Rock You』みたいなリズムで机を叩いたり足を踏み鳴らしたりする場面で確信に変わった。

全体的に演出が映画ではなく演劇っぽく大袈裟で、それが感情移入の妨げになっていた。
自分は感情移入できていないのに登場人物たちは大盛り上がりなのが観ていて恥ずかしくなるような感覚があり、以前『悪と仮面のルール』を観た時にも同じ感覚があったことを思い出しながら観ていた。

やたら大声で叫ばせたり笑わせたりする演出は、杉咲花の演技力すら殺していた。
彼女が演じていた役柄は『市子』の時と似たような役柄だったけど、演出次第でこんなにも薄っぺらく見えてしまうのかと思った。

法律を扱う物語なのに、設定がところどころ非現実的なのもちぐはぐな印象だった。
大学の敷地内に洞窟があっても普通は立入禁止だし、裁判で当たり前に「無辜ゲーム会場」という言い回しがされていたのもありえない。
そもそも「無辜ゲーム」自体が中二病っぽい遊びで法科大学院に通うような学生たちが夢中になるような遊びでもない。

そして、97分しかないのに無駄なシーンが多かった。
杉咲花が電話中に子供に絡まれるシーンも、永瀬廉が寮母に寝癖を直されるシーンも、大森南朋が裁判員を煽るシーンも、全く要らなかった。
群像劇としての面白さがあるわけでもないのだから、ノイズになるようなシーンは削ったほうが観やすい。

深川栄洋監督の『白夜行』や『桜のような僕の恋人』では割と感動できた私でもこの映画はキツかったけど、永瀬廉が出ていたのでスコアはだいぶおまけした。

【2024.05.06.鑑賞】
【2024.05.12.レビュー投稿】
【2024.05.13.レビュー最終編集】
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