ポンコツ娘萌え萌え同盟

グレゴリオ・コルテスのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

グレゴリオ・コルテス(1982年製作の映画)
3.5
西部劇と思って買ったら実質西部劇じゃなかった!西部劇を期待してたから最初の方は肩透かしを食らった感じがした。
舞台は西部だけど!
西部劇といえば渋めでクールな痛快さが好きだ。でも本作は実質西部劇ではないのでクールも痛快さもあったものではない。
だけどアメリカとメキシコの狭間のテキサスを舞台に実話らしいグレゴリオ・コルテスの事件を基にした作品で、ある意味勧善懲悪を揺さぶるようなストーリーはなかなか見どころがあった。
序盤は西部劇だと思ってたのでイマイチ本編に乗れなかったけど。

この事件が保安官を殺したことで始まった事件なんだけど、原因的には一つの誤解"から"始まったこと、そして最後まで見ると全く悪意なき犯罪ということ思うと、グレゴリオ・コルテスが不憫を通り越して不条理だ。
そしてその不条理から逃走したりするグレゴリオ・コルテスの心情と苦悩。エドワード・ジェームズ・オルモスの演技が作品の登場人物よりも群を抜いて素晴らしいものとなっている。

しかし本作の検事がまあ酷いこと。検事の発言をよく聞くと裁判のところで何の証言にし対して深堀してないんだよね。
コルテスの真実を説いた弁護士の証言に対して、「美しい絵を描いて見せようでとした」的なこと言ってるけどさ、検事の発言は「✗✗を殺した」と事件の深堀すらせず事件で起きた表面だけ話してるし。
しかも完全に情に訴えかけるような発言をし、まるで検事とは成立していないし、コルテスを完全悪として扱い「美しい絵を描いてる」のはよっぽどコッチなんだけど皮肉だろうか。