Finn

SOMEWHEREのFinnのレビュー・感想・評価

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
4.2
ハリウッドスターのジョニーはLAの有名ホテルでパーティー三昧の、一見華やかだけど空虚な毎日を送っていた。そんなある日、娘のクレオを預かることになり、父娘の暖かい時間が始まる。

ソフィア・コッポラ監督が自身の幼少期の思い出を投影した、ヴェネツィア国際映画祭
金獅子賞受賞作。
静かだけど暖かい作品で、初めて観てから10年近く経つけど定期的に観たくなる大好きな作品です。

ワンカット長回しのシーンが多くて、前半は少し退屈に感じるかもしれないけど、全編通して観たときに前半の大事さが分かる。
何にも関心がなく、ポールダンサーを呼んでも眠っちゃう。娘ともどう接していいか分からず友達を呼んで遊んでもらう。そんなジョニーが、娘と過ごして行くことで見せる変化にじんわり胸が熱くなる。

当時まだ11才くらいで幼さの残るエル・ファニングの透明感がすごい!
父ジョニーの心を溶かす可憐で天真爛漫な笑顔がとても魅力的で、とにかく可愛い。でも実は色んなことを敏感に感じ取っていて、寂しさを抱えているクレオの気持ちが伝わってきて、繊細なお芝居が上手だなと思った。

夜中にベッドで食べるジェラート、プールに潜ってお茶会、カードゲーム…エモさ満載で、父娘の過ごす時間にほっこり。
ラストシーンはいろいろ考えさせられるけど、きっとジョニーは娘のために変わってくれると信じたい。

あのホテル泊まりたい!
映像も綺麗だし音楽も良くて、ぜひ観てほしい作品です。
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