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借りぐらしのアリエッティのkeittyのレビュー・感想・評価

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)
5.0
「人間に見られてはいけない」のに、即見つかる。

小人たちは人間の家の中で「借り」をすることで、生活していた。
原作はイギリスの童話「床下のこびとたち」。セシル・コルベルが歌うArrietty's Songにこの作品の儚さと刹那の全てが詰まってる。

翔がアリエッティに対して放った「君たちは滅びゆく種族なんだよ」というセリフ。優しい声色で言うから怖いという意見もあるけど、病気を患っている自分とアリエッティを重ねて「同じ運命を背負っている仲間だよ」と伝えているようで好き。

鳥が窓に向かって飛んでくるシーンは、君たちはどう生きるかにも出てきていたので、発見して嬉しかった。

ジブリでは未熟な少女は赤い服を纏っていると言われていて、今回アリエッティは引っ越しの時に赤い服を身につけつつも、人間から借りていたものを返したり、髪を下ろしたことによって、新しい環境に向けて少し成長したような感じがして、儚さの中にある逞しさが美しかった。

作品を改めて観ることで、ジブリパークの再現度の高さを実感した。
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