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グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状のKUBOのレビュー・感想・評価

3.2
国立西洋美術館で開催中の「ハプスブルク展」のイベント上映会にて鑑賞。

美術館絡みの映画って、普通はその収蔵品を見せてくれてなんぼだと思ってたら、この映画ではいきなり美術館の床をつるはしで壊すシーンから始まりびっくりした。

本作はハプスブルク家の集めた美術品を数多く所蔵する「ウィーン美術史美術館」の改装工事期間のドキュメンタリーで、リニューアルオープンのパーティーで終わるといった趣向。

ともかく描かれるのは裏方、裏方、裏方。内装工事、修復作業、展示する絵画の選択やお客さま係や保安係まで、広大な美術館で働くありとあらゆる裏方さんの仕事を通して、普段、美術館の仕事と言えばキュレーターくらいしか頭に浮かばない私たちに、美術館を支えている人たちの姿を興味深く教えてくれる。

もちろん「ハプスブルク展」で実物を見たばかりの絵画や美術品もスクリーン内で散見され、楽しい。

だが一番驚かされたのは、展示しきれない膨大な美術品の量だ。なんかハンズかなんかでタペストリーでも収納してあるかのようにしまってある、その機能性にもびっくりした。

美術展に合わせて、ドキュメンタリー映画でその裏側まで窺い知ることができ、たいへんうれしい企画だった。
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