イチロヲ

エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメアのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
主演作「エルム街の悪夢」の呪縛に怯えている女優が、幼い息子の脳内にフレディが潜伏しているのを見抜いてしまう。ホラー映画の独り歩き現象について言及している、人気シリーズ第7弾。

映画から飛び出したフレディの観念が、映画関係者の日常を脅かしてくるという、メタフィクション的な変化球が付けられている作品。第1作目の出演者と製作スタッフが本人役で出演しながら、フレディの独り歩き状態に言及する。

前作までのコメディ要素を排除して、「フレディ=人間のもつ恐怖心」の構図を最大限に活用。フレディを安易に登場させず、呪詛の連鎖を静かに描いていくスタイルが刺激的だが、セレブに集るパパラッチの存在が希薄なのは、さすがに違和感あり。

本作は「教育に悪いという理由で、子供に見せない行為」に対してのアンチテーゼであり、「目隠しによって生じる恐怖心」と「子供に耐性を与えるためのホラー映画」を暗示させた内容になっている。通過儀礼に最適な逸品。
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