ししまる

アウェイクのししまるのレビュー・感想・評価

アウェイク(2007年製作の映画)
3.8
心臓病の実業家クレイトンは、友人の医師ジャックの執刀で移植手術を受けるが全身麻酔が効かなくなり、意識が覚醒する。
術中覚醒はメインの話ではなくストーリーテラーのために使われているだけで意外に陰謀スリラー。伏線がいろいろあるし、面白いけど、どこか安っぽさが否めず。麻酔科医がなんで酒飲んでたのかとか明確な説明がなくちょっと消化不良。
術中覚醒のシーンは歪曲されているとの指摘もあるが、実際に起こり得る話でめっちゃ恐ろしい。個人的には麻酔は3回経験。プロポフォール、セボフルラン吸入による全身麻酔では、冷たい乳白色の薬剤が点滴で入るとともに酸素マスクを装着。深呼吸4回の指示に従ってたらいつの間にか意識をなくし、目覚めたら5時間経っていたというか、時間が飛んだ感じだった。内視鏡手術では十分な麻酔深度が得られないケースもあるミダゾラムを使ったので、痛みはないけど何となく起きている感覚だった。局所麻酔の時は意識あるから肝臓になんかブッ刺さる感覚だったなあ。
✅メモ
製作費860万ドルに対し興行収入 3270万ドル。ゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞(ジェシカ・アルバ)、最低スクリーンカップル賞ノミネート。2008年の日本臨床麻酔学会の学術集会で先行放映された。
カナダオンタリオ州医師会の麻酔科医部門は、不適切な麻酔技術の表現など本作に多数の科学的および手続き上の歪曲があると批判している。
全身麻酔は意識がなくなり深く眠るため、手術中の記憶は残らないが、稀に夢を見ることはある。術中覚醒は想定以上の強い痛みが加わったり、医療ミスで麻酔薬が適切に投与されなかったりすることで起こる。女性、若年者、緊急手術、心臓・帝王切開など特定の手術、静脈麻酔などはリスクが高いとされる。発生率は0.1~0.2%と言われるが、手術中に夢を見た場合も術中覚醒として分類する報告もある。術中覚醒を起こすと高い確率でPTSDのような精神的後遺症を残す。訴訟に発展するケースもある。
2002年のスウェーデンの研究では、術中覚醒と診断された患者18人を約2年間追跡調査した結果、面接を受けた9人のうち4人は重度の精神医学的、心理学的後遺症があった。全員が意識のある状態で不安を経験したが、痛みを感じたと述べたのは1人だけだった。
金縛りのように手足が動かせないが音が聞こえる状態になり、気管挿管したまま生き埋めのような苦しさを味わったというケースもある。
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