こぅ

火星人地球大襲撃のこぅのレビュー・感想・評価

火星人地球大襲撃(1967年製作の映画)
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'23〜'24冬のホラー/ミステリー祭⑤

BBCで放映されたSF・TVシリーズ[クォーターマス博士シリーズ]の第3話を映画化した、職人、ロイ・ウォード・ベイカー監督による、
【SF・ホラー】。


ロンドンの地下鉄で、作業員が多数の骸骨と乗り物のような謎の物体を発掘。
軍のブリーン大佐とロニー博士の指揮の下、謎の物体調査が始まる…。


・構成/展開
冒頭から地下鉄の穴掘りから人骨が出て、そこからドイツのミサイルの不発弾か⁈いや船体、というミステリアスな展開をテンポ良く面白い。
そこから政府/軍の大佐と教授が協力するが対立もする。
所々ご都合主義、バーナード・クォーターマス教授(アンドリュー・キア)が常に状況を言い当てる 強引で力技 な進行は否めないが、話のスピーディさに貢献している。
学者の見解を政府は認めたがらず、市民の不安/混乱を防ぐ為に隠蔽しようと対立する。


・総評/時代を超越した脚本
【遊星よりの物体X】→【本作】→【遊星からの物体X】という系譜になるだろうが、J・カーペンターの名リメイク(最早 別物 と認識している)が、正に時代的/技術的にしっくりくる傑作 なのは誰もが認めるところだろう。
異星人に人間が連れ去られ、、というくだりは当時からそんな裏付ける事象があったのか⁈本作の全くの創作なら凄いが、いずれにせよ進んだ脚本(褒めてる)と時代がマッチングしていない⤵︎
頭部に配線ユニット付けて脳波をモニター化する機械の表現はこの時代でも容易に出来る。
火星人の動きを出したりグロい解剖ヴィジュアル表現等に関しては、'70年代半ばなら製作技術が追いついていて可能になった。
要するに’50年代ならやむを得ないが、’60年代だとハンパという印象。
それは、火星人に街が侵略されそうになって大混乱を起こすクライマックスにも如実に表れていて、
デカいホ◯グラ◯による火星人の出現はユニークな秀逸低予算アイデア。
仕留めるのは軍事力では無く、意外に古典的/時代的で、呆気ない⤵︎
勿論、この時代ならではこその 味わい は楽しめる。
悪魔や小鬼といったワードが飛び出すのも良いし、【サスペリア】、【オーメン】、【エクソシスト】然り、強風 はホラー演出に効果的だと再認識する。
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