いの

怒りのガンマン/銀山の大虐殺のいののレビュー・感想・評価

4.0
キル・ビル再鑑賞から今作に(この映画の主題歌がキル・ビルで使用されていることを知りました。キル・ビルご覧になった方はきっと聴くとすぐにわかります♪)


主題歌聴ければいいかな、くらいの気持ちで鑑賞したら、あらあら どうしたことか、とても面白い。銃を手に掛けるか掛けないか、のところをアップでじりじり映したりして、丁寧な作りであることが冒頭から伝わってきます。その前に、オープニングからして素晴らしい。他のマカロニではお目にかかったことのないような風景(銀山?)をはじめとして、ロケ地も勝因のひとつだと思われます。


リー・ヴァン・クリーフが何者かもわからない。何かの犯人なのか、賞金稼ぎなのか、保安官なのか。元保安官だというのも、本当かどうかもわからない。


皆から追われているフィリップという若者も、殺人犯だということで追われているのだけれど、それも本当かどうかもわからない。


途中までは、なにが本当かわからない。それは脚本が巧いのだと思う。わからないからこそ、観るものを引きつけます。ゆっくり静かに、徐々に話がみえてくる。


ユーモアもモチロンあって、放たれた銃弾をリー・ヴァン・クリーフが歯の上下で食い止める場面とか、思わず戻して三度見してしまいました。全体的には暗い話だけれども、フィリップを演じたピーター・オブライエンの明るさや、楽器バンジョーの陽気さなども時折あって、ずぶずぶに沈んでいくことを回避しているのだと思います。


ちょっとどの場面だったか思い出せなくなっちゃったけど(多分、回想シーンだったと思う)、これは絶対に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」に影響を受けてるなと思う場面などもありました。そしたらな、なんと、ジャンカルロ・サンティ監督は、「~イン・ザ・ウェスト」で助監督を務めていた方だとか。わたしは自分の鑑識眼にほれぼれしました笑


せっかく頑張ってたのに、最後には辻褄が合わなくなってくるというのか、脚本も監督も途中で力尽きてしまった感あり。でも、ラストのテキトーな感じも決して嫌いにはなれません。ま、いっか


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メモ

・オープニングクレジットの色は赤(追記:「赤」とここに書いたけど、自分のメモには「黄色」となっていたから打ち間違えかも)

・カラマーゾフの兄弟ならぬ、サクソン家三兄弟の長男を演じたのはホルスト・フランク。私が観た彼の出演作品は『ジョニー・ハムレット』『皆殺しのジャンゴ/復讐の機関砲(ガトリングガン)』
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