ドロシー・ストラットンが殺害される原因になった映画、と言えるかもしれない。でもヒモに若くして捕まった女性は、遅かれ早かれ悪いヒモとは切れただろうと思うけれども。
『華麗なる相続人』で不倫関係になったオードリー・ヘプバーンとベン・ギャザラのために、ピーター・ボクダノヴィッチが企画した映画でありつつ、撮影に入った時にはベン・ギャザラはもう他の女性とデキていたといういわくあり。そしてボクダノヴィッチは恋したドロシーのために、彼女の出番を大幅に増やすという改変をする。
オードリーの気品と、ドロシーの意外に洗練された、都会的な女性像は好印象。
軽やかな恋愛群像劇とは思えぬ舞台裏があって、日が当たらない作品だけれど、嫌いじゃない。こんなふうに気軽に男女が付き合う映画は、昨今では難しいかも。DVD化してほしい。

スペシャル5点🔥
それぞれがそれぞれの恋模様に途中から幸せと切なさが込み上げて涙が止まらない。わたしにもニューヨークで恋させてーってのー。パティ・ハンセンもドロシー・ストラットンも最高。そして中年のオードリー・ヘップバーンのかっこよさ😭まじ素敵ッスオードリーさん！


「セイント・ジャック」1979年

チャイニーズブッキーのコズモがシンガポールにも。聖なるポン引きのジャックことベンギャザラ。中国人のギャングスタに拉致されて腕に中傷ワードのタトゥー入れられて娼館帰ったらメチャクチャに破壊させてて、その中でもひとり七輪でなにか美味しそうなものを作っている従業員のおじちゃん。シンガポールの夜の歓楽街のロケ、YouTubeの画像悪かったのでいつかどこかでみられるといいな！ロビーミュラーの撮影。今年の春にシネマテークフランセーズのボグダノヴィッチ特集で上映あるのを知ってずっとみたかったやつ。会計士のデンホルムエリオットもよかった。ボグダノも出てる。

やだもう最高。ヘリで登場して去ってくオードリーさん！ローラースケート、犬、路上のオレンジジュース売りに中華。妄想のニューヨーク1980、一生憧れて死にそう。終盤のライブシーンの多幸感、オードリーとベン・ギャザラのアダルト感に興奮。雑踏の一員でいいからここにいたかった。