こぅ

私は殺さないのこぅのレビュー・感想・評価

私は殺さない(1947年製作の映画)
3.5
'23 1/13ジャケ写掲載していただきました。

アーヴィング・ピシェル監督による、
【フィルム・ノワール】。


妻殺人の容疑をかけられた被告人が、裁判で事件を回想する…。


冒頭、
法廷で、妻殺し疑惑の被告人、ラリー(ロバート・ヤング)の供述をモノローグ回想する形式。

要するに妻、グレタ(リタ・ジョンソン)とはカネ目当てで結婚し、2人の愛人が絡む話だが、まさか半年以上前に遡って、良く克明に覚えているものだな〜と感心。

ジャニス(ジェーン・グリア)とは、土曜日だけ不倫していて、妻と別れると約束したまま、放置して妻に留まりつつ、次にまた秘書、ヴェルナ(スーザン・ヘイワード)と出会って不倫するというとんでもないラリーに、いや、妻含む女も女で、出戻りバカを繰り返し、誰にも同情の余地は無いだろう。

クライマックスは、勿論、被告の判決へ。

恐らく、
本作はラストの前代未聞の【衝撃的且つ皮肉オチ 】を売りにビックリさせたくて、最初に設定してから前日譚を構築していったのではないだろうか⁈
故に 起、承、転〜結の繋ぎ がしっくりこない。
ラリーが、
妻を殺したのか否か⁈の疑惑をずっと持たせて、ドキハラでラストに繋げてどんでん返しして欲しかった。
それこそがサスペンス本来の醍醐味であり、本作の唖然オチは、本末転倒 に思えた。

これは結果論であって、悪く言えば少々バタバタし過ぎて、誰がヒロイン⁈なのか中々定まらずも、お馬鹿連中との転がりが良く(偶然が重なる)、飽きさせない脚本で、途中はそれなりに楽しめた、という目一杯のスコア。
こぅ

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