Omizu

大通りの店/大通りの商店のOmizuのレビュー・感想・評価

大通りの店/大通りの商店(1965年製作の映画)
3.7
【第38回アカデミー賞 外国語映画賞受賞】
チェコスロヴァキアの作品。カンヌ映画祭コンペに出品されスペシャル・メンションを受賞、アカデミー賞では第38回に外国語映画賞、第39回に主演女優賞(イダ・カミンスキ)にノミネートされ、外国語映画賞を受賞した。

外国語映画賞を受賞しているのは知っていたが主演女優賞にもノミネートされていたのは知らなかった。確かにこれは素晴らしい演技だもんな。

平凡な男が、大通りの商店を経営するユダヤ人のお婆さんと出会う。しかし世間はナチスが猛威を振るっており…といういわゆるホロコースト映画。

好きだよねアカデミー賞こういうの。とりわけこの外国語映画賞ではそれが顕著な気がする。

映画としては地味だが優れてる。カットの切り取り方が上手いし、心理描写がドラマチックでいい。最後の方はやや感情表現としてオーバーかなとは思うものの、ショットの一つ一つが素晴らしい。美しくも怖い画角で店内を切り取っていてすごい。

主演の男優さん、そしてユダヤ人のお婆さんを演じたイダ・カミンスキが素晴らしい。いくら地味でもこんな演技みせられたら主演女優賞ノミネートしちゃうよね。納得。

日本ではソフト化されておらず、英語字幕で観たため理解が不十分かもしれない。ただ、何も期待せずに観てみると意外な発見がある作品だった。チェコスロヴァキア映画の底力を感じた。
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