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黒部の太陽のmarnimのレビュー・感想・評価

黒部の太陽(1968年製作の映画)
4.8
扇沢駅と黒部ダム駅を結ぶ関電トンネル電気バス、2年前に観光で行き、電気バスの車内で破砕帯の難工事について車内放送を聞いた。
破砕帯は僅か80m、現地では破砕帯の区間が青く照らされていたが、電気バスではあっという間に通過したのを覚えている。
そんな黒部を題材にした本作が見たくなり、鑑賞することにした。

三船敏郎と石原裕次郎という二人のスターが共演するというのは、当時としては話題になったに違いないが、二人を知らない世代が見ても、本作の壮大で濃厚な作りは実に見応えがあり、先人の苦労と偉大さを感じる傑作と言えよう。

本作は世紀の大事業に挑む男たちの物語であり、事業者・元請け・下請けが一丸となる様は胸を熱くする。
関電社長の太田垣と熊谷組専務の藤村とのやり取りは、現場作業員だけではなく、経営陣も同じく闘っていることを示していた。

俳優陣では三船の存在感とその佇まいは別格で、さらには裕次郎の親父役の辰巳柳太郎の演技はとても印象に残った。

リアルにこだわった撮影は迫力十分で、日本映画史に残る超大作と言って過言ではないだろう。
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