囚人13号

暗黒の鉄格子の囚人13号のレビュー・感想・評価

暗黒の鉄格子(1953年製作の映画)
4.1
十字架の連なりである鉄格子の影が示唆的なショット、冒頭とラストで反復されるドア枠越しのフレームインフレームが凄い。
特に証拠隠滅として湖に投げ捨てた拳銃を探すテレサ・ライトと弁護士マクドナルド・ケリーが初めて対話するシーンの後景に、いつの間にか出現して不気味に動いているボートは『殺人捜査線』の波止場における背後の貨物船という同時多発的な動的構図へ継承されていく。

あとシーゲル作品のプロフェッショナルは職種を問わずみんなスーツやネクタイと身なりが整ってる。
逆に服装の汚い輩は必然的に悪かつ小粒なのだが、物語と無関係な(この時点ではまだ容疑者であった)ダイバーが言い寄ってくるショットの恐怖演出一つとっても才気をビンビン感じる。
囚人13号

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