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スウィーティーのENDOのレビュー・感想・評価

スウィーティー(1989年製作の映画)
4.2
オーストラリア時代のカンピオン。インディーズ感溢れるのは主人公ケイがスピリチュアルだからだろう。近所の婆さんによる紅茶占いで顔にクエスチョンマークがある男と結婚すると言われたのち、職場の同僚の婚約者ルイを目撃。額にはクラーク・ケントのようなカールした前髪が!駐車場で迫り掠奪成功。殺風景な庭に婚約記念のハシノキを植えてご満悦なルウに対し、病んだように見える黄色い葉を気に入らないケイ。この時点で木の枝のように2人の気持ちは分岐する。そこに現れた姉ドーン(あだ名のスウィーティーは幼児語)の精神疾患的な色情ぶりにケイは狼狽して拒絶。父と母もドーンを持て余して別居。父のみがドーンの芸能界入りに希望を抱く。姉の存在により夢見人から常識人へとシフトしたケイの未来は暗い。寛容すぎる恋人ルイにも逃げられドーンすらも失う。結果的に木を軽んじ木に泣く。若き日のドーンが現れて不思議な余韻で閉じる物語。アウトサイダー姉妹のアクの強さにクラクラしながら家族の否、人生のままならなさを痛感。別居した母の勤める牧場にいるカウボーイ達との不穏な邂逅。ビーチでのネッキング。安心できない登場人物達の行動に終始焦る。微妙にコーエン兄弟っぽい語り口だがそれほど偉そうじゃないのでいい。ほろ苦い傑作!自主字幕!
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