このレビューはネタバレを含みます
カラフルに生きる。
なんとなく内容の全貌が透けている物語。
アニメーションはやはり綺麗だが、2010年の作品だと知って更に驚かされた。
その頃の作品だからこそ、この内容に留まったのかなとも思う。
正直大胆さが控えめ、設定は面白く広がりそうなのに、広げたがらない理由がこれかって感じ。
それはそれで仕方ないが、勿体なさはある。
メッセージ性もそれとなく良いこと言ってる感はあるが、大の大人が胸打たれることは恐らく無い。
中高生、更に主人公と同じ境遇を味わったことがあるだろう限られた層に限定されそう。
命の尊さ、家族といったテーマに触れてもいるが、それ以外に薄く散らかったような脚本は退屈な場面を生む要因にもなっていた。
この終わり方をするのなら止むを得ないのかもしれないが、消化不良な終わり方も何とかしてほしかった。
どうしても気になるのは、いじめはよくないという当たり前の議題に触れなさすぎていること。
人生リタイア組に向けて、リタイアすんなよって軽く言ってるだけ、それだけで救われる層は尚更いない。
初恋の人や母親が〜とかが引き金な設定にはなっているが、積み重なったもんはそれじゃないだろう。
そういう意味で考えるならリアリティも無いことになるなぁ。