きぬきぬ

VIVA(原題)のきぬきぬのレビュー・感想・評価

VIVA(原題)(2015年製作の映画)
3.8
主人公の青年の名前は、jesus/ヘスス(ジーザス)
ゲイの彼は、美容師の収入では生活も厳しく、ドラッグクィ-ンとしての生き方に歓びを見出だし、稼ぎも出来そうな矢先、3歳の頃別れたきりの元ボクサーの武骨な父親が刑務所から出所し、帰ってくる。自由に一人で生きてきたヘススは反発を感じながらも、横暴だけど、今や何もかも失っている父親への思いと孤独を埋めるように次第に寄り添い、労り合って行く。
ヘススが舞台に立つことを恥と禁じる父親だけど、危険な売春よりも良かろうが。。
父親を気遣い、舞台に立つことを辞めるヘススだけど、ありのままの自分を親や周囲に認めてもらい、受け入れてもらうという闘いもある。それをヘススに諭すお店の迫力あるママが素晴らしい!人生経験にも長けてるのだろうなあ。お店のショーも人気あるし。ドラッグクィーンのヘススも色っぽくて美しい。

厳しい生活の中で、自分のことだけで精一杯だった青年が、収入の安定もあるけど生き方を見つけ、父親との関わりから孤独だったことにも気づき、自らも周囲を受け入れ、孤独でなくなる方法に気づく。哀しみもあるけど、ほんのりと温かい良い作品。

製作がキューバとアイルランドで、このアイルランドの映画会社最近名前を良く目にするし頑張ってるな~と思う。2016年アカデミー賞外国映画部門のアイルランドで選ばれてるけど、キューバが舞台のキューバ人たちの作品です。
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