TAK44マグナム

ダブルバウンドのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ダブルバウンド(2003年製作の映画)
3.6
絶対確実!


ある時は緑色の人、ある時は俺ちゃん、そしてある時はピカチュウとくれば、そう!
我らがイケメン細マッチョ、ライアン・レイノルズですよ、奥さん!
ニカっとはにかんだ笑顔でスカーレット・ヨハンソンやブレイク・ライヴリーの様な美人女優たちを陥落させた(に違いない)ライアン・レイノルズが、まだそれほど認知されていない頃に主演したケイパー映画の佳作です。
本作をググると、だいたい皆さん「キャストが地味」とか「主演俳優、誰?」などと、俺ちゃん化した後の現在では妥当とは言えない感想が多くヒットするので、逆にハテナマークが浮かびますよ。

ヒロイン役は確かに地味なルックスのクリステン・ブースですけれど、本作にはピッタリはまっていたかと。
すごく分かりやすい美人さんだと本作にはそぐわないと思いますね。
それよりも、ジムに通って身体を鍛えていそうなリアルさ(快活な男の子っぽさ)がクリステン・ブースからは感じられました。
何気に見せ場としてはリーダー役であるライアン・レイノルズを凌いで彼女の役が一番多く、かなり美味しい。

悪役は「名探偵ポワロ」のポワロ役で有名なデビット・スーシェ。
「エグゼブティブ・デシジョン」でもテロリスト役をやっていましたが、知的な悪党を演じるには正に適役な俳優さんですね。


保険会社に勤める有能な男、ケビン。
思い切りがよく、運動能力に長ける女子、サム。
メカに強いロブ。
大学で知り合って以来、彼らの趣味は「仮想犯罪」。
チームを組んで、難攻不落な警備システムを突破し、お宝をゲットする。
ただし、計画は本物でも実行はしない。あくまでもシミュレーションで成功すればOKというルールで、この知的ゲームを楽しんでいた。
ある時、サムが持っていた宝石強盗の計画書が何者かによって盗まれてしまう。しかも、計画は他者によって実行され成功、下調べ時にカメラに映っていたケビンは警察に疑われる羽目になる。
やがて、謎の男がケビンたちを「指紋がついた計画書を警察に提出されたくなければ、2000万ドルの債権を盗み出す手伝いをしろ」と脅迫してくるのであった。
その相手とは、「タッチのレオ」と異名をとる泥棒界の超大物であり、ケビンたちは見事に手玉に取られてしまう。
現実の犯罪になど加担はできないが、計画書を握られている限り言うことを聞かざるおえない。
仕方なく、ケビンたちは債権強奪の計画を練り始める。
そして、準備を進めるうちに高揚感をおぼえる事を危惧するケビンであったが、金に困っていたロブは狡猾なレオによって徐々に懐柔されていってしまう。
3人の関係に亀裂が入りそうになりながらも、遂に強奪計画は本番の時を迎えのであった・・・


とりあえず、「ダブルバウンド」って邦題は意味不明です(汗)
原題は「フールプルーフ」といって、意味は「絶対確実」。
「絶対に確実な計画を練る」のを目的としたケビンたちの信条がタイトルになっています。

ほとんどケビンたち3人とレオの周囲だけで話が進み、警察も出てはきますが直接的な脅威にならないので存在感は希薄です。
そういったこじんまりとした内容ですが、下手にあれやこれやと枝葉を広げずに2000万ドルをどうやって奪うかを中心としたタイトな仕上がり。
それが功を奏していますよ。
話が難しくないので、終盤の展開もスピード感があり、後味の良さも相まって、非常に満足できる作品でした。
あえて難点をあげるとしたら映画的なスケール感の欠如や、主人公たちのキャラクターに深みが無い、はたまた展開の先読みが出来てしまう等々ですが、レンタルで借りたり、配信で観たりするぶんには充分元がとれるかと思います。

それにしても、警察に疑われる事や、レオに利用される事よりも、本業そっちのけでプランを練っていた為に、上司っぽい人から「ほとんど仕事をしてない」とボヤかれるケビンが心配になっちゃいましたよ(苦笑)
クビにされないほど有能という設定なのでしょうけれど、アメリカって実力至上主義だからなのか目上にむかってもタメ口以上のキツい言葉使いをするので、日本人からするとヒヤヒヤさせられますよね。
普通に煩そうに接するケビンを見て、映画の内容とは関係なしにそんな事を考えてました(汗)

クリステン・ブースがマトリックスやエントラップメントみたいになってるジャケットには全く姿が見当たりませんが、主演はライアン・レイノルズです。
まだ今より若く、アボガド顔になる前の俺ちゃんの活躍を、どうぞお楽しみにください♪


ゲオ宅配レンタルにて