aya

マルサの女のayaのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
5.0
きた!
今まで見た映画で一番好き!!!
今日から好きな映画はマルサの女です、って言える。やった。
恥ずかしながら、こういう社会派? 映画を見て、世の中わかった風に思えるのが好きみたい。。。

出てくる人物全員がいい。それぞれの生き様が伝わってくる。
冒頭の山崎努のおやじダンスは、それだけでもうコテコテの成金おやじってことがこれ以上ないってほど伝わってくる。
宮本信子のシングルマザーの伝え方も、悲壮感はなく、でも必死で全力で仕事と子育てに追われているのが伝わってくる。
女性マルサの立ち位置も現実はもっとシビアだろうけど、それはそれで匂わせる程度にしてコミカルに伝えることで見る側に不要な不快感は与えない。
大滝秀治、津川雅彦といった名優の上司っぷりも最高。
監督の作風? に合わせて演じるんだなあ、ってわかった。当たり前のことだけど俳優さんのすごさを見た。
(他の俳優さんだとわざとらしいコミカルな演技になるんだろうなあって思っていたら、マルサの女2で誰とは言わないけどそのとおりだった。。。)
他でいいなあ、と思った人はパチンコ屋の伊東四朗、鍵を隠せなかった愛人の江沢萌子。

映画には全く詳しくないけど、春夏秋冬の区切りを始めとする小気味良いテンポがとにかく最高。おしゃクソ映画にありがちな意味不明は長尺とは無縁の世界。

音楽も80年代らしい軽い音づくりに見せて、変拍子で小気味良さを出していて何度も何度もしつこいくらい繰り返されるけど何度聴いても最高にしか感じない。

あろ、誰もが書いているとは思うけど、山崎努が言った「コップから溢れてきた水をなめる」の一節は本当に名言。資産と負債の違い、からの運用の極意。
彼は巨額の脱税を働いた悪党ではあるが、節税と脱税の違いなんてどこが基準なんかわかったものじゃないと私は思っている。
(それは冒頭の雑貨屋の食費を問い詰めるシーンでしっかりと表現されいる)
払わなくてはいけない税金を払わないと犯罪だけど、払わなくもいい税金を払っていても(正確には払わされていても)おかみは犯罪に問われないないっておかしいよねー。
これもまた「知らない(でいることが)幸せ」のひとつかな。
aya

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