フルデジタルの個人制作アニメーション「ほしのこえ」で一躍脚光を浴びた新海誠が、初めて挑戦した長編監督作は、津軽海峡を挟んで南北に分断された戦後の日本を舞台に、世界の謎を背負った1人の少女を救う為に葛藤する少年たちの姿を描く。
米軍統治下の日本、青森に暮らす中学生の藤沢浩紀と白川拓也は、海峡を挟んだ共産国家群「ユニオン」に支配されたエゾ（北海道）にそびえ立つ純白の巨大な塔に憧れ、いつかその塔を目指そうと廃駅跡でひそかに小型飛行機「ヴェラシーラ」の組み立てに勤しんでいた。
或る夏休み、2人はもう一つの憧れの存在・同級生の沢渡佐由理に飛行機の秘密を打ち明ける。
3人は一緒に塔を目指す夢を共有し、ひと時の幸せな時間を過ごすが、中学3年の夏、佐由理は理由を告げることなく転校してしまう。
飛行機で塔を目指す夢もそのまま立ち消えとなり、3年の時が過ぎてしまう。
夫々の道を歩んでいた浩紀と拓也だったが、世界情勢に暗雲が漂い、塔の秘密が次第に明らかになったことを切っ掛けに彼らは再会する。
この塔は平行宇宙(パラレルワールド)の情報を受信するための量子塔で、兵器として利用するために建てられている。
