MasaichiYaguchi

不死身ラヴァーズのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
3.7
松居大悟監督が、高木ユーナさんの同名コミックを、見上愛さんの映画単独初主演で実写映画化した本作は、「好き」を真っすぐに伝える大切さと無防備さから生まれる純粋なエネルギーが胸を打ちます。
長谷部りのは幼い頃に出会った甲野じゅんを運命の相手だと信じ、彼のことを忘れらずにいた。
中学生になったりのはじゅんと再会を果たし、後輩で陸上選手の彼に思いを伝え続けるが、遂に両思いになった瞬間、彼は忽然と消えてしまう。
しかも彼がこの世に存在しなかったかのように、誰もじゅんのことを覚えていない。
その後もじゅんは、高校の軽音楽部の先輩や車椅子に乗った男性、バイト先の店主など別人となって何度もりのの前に現れ、両思いになると消えるという不思議な現象を繰り返していく。
それでも諦めないりのの真っ直ぐな思いは、やがて奇跡を起こしていく。
本作は不条理劇やSFチックなドラマを観ている感覚になるが、様々な“謎”が紐解かれる終盤、それからの怒涛の展開はストレートに胸を打つ。
この“好き”を全肯定する無防備なラブストーリーを観て、初恋の時に抱いた想いや、学生時代を懐かしく思い出す人がいると思う。