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エンティティー/霊体のtakのレビュー・感想・評価

エンティティー/霊体(1982年製作の映画)
2.9
アメリカで実際に起こった事件を基にしたホラー映画。主人公カーラは、ある日見えない相手に寝込みを襲われ、レイプされる。精神科医は病気と決めつけ、友人も信じてくれず孤立していく。カーラは超心理学者と共に霊体に挑む決心をする。

眠っているヒロインの身体の表面が、何かが這っているかのようにわずかに波打つ。愛撫されているような気持ちになったヒロインが、次の瞬間に激しい力に身体を押さえ込まれ殴打される。バーバラ・ハーシーの体を張った演技の迫力、見えない指が乳房を掴む特撮、迫ってくる霊体の視線のようなカメラワークにいつしか引き込まれてしまう。

70年代からこの頃までのバーバラ・ハーシーは、こうした露出多めの役柄が多い印象があるけれど、この後あたりからスコセッシやアレン映画などの出演を経て、演技で評価されることが多くなった。この映画では屈辱的なシーンも多いだけに、辛い撮影だったのでは。

「Xファイル」テレビシリーズの中に死んだ男の霊が出てくるエピソードがある。生前愛した女性に近づく男たちを撃退したり、危機を救おうとするのだ。あれはまだ霊体の目的や背景が説明されるからまだ納得がいくのだが、「エンティティー」は得体の知れないだけに恐怖感が募る。
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