たつ

タイム・オブ・ザ・ウルフのたつのレビュー・感想・評価

タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003年製作の映画)
4.4
素晴らしい。災害で文明を失った中での人類、車は馬にライトは火へと、貨幣は価値を失い物々交換へ。文明を失えば文明としての価値観・法を失うという冷たさにハネケらしさを感ずる。

災害時に際して対立する人類に、分裂が生まれ最終的に文明の起こりである火に飛び込む。

ハネケの好きな感覚は子供の「生死」への意識の低さ。殺しも自殺もさほど遠いところにあるのではなく、気がついたら手元からその手段を取ってしまう、この怖さと冷たさが良い。

災害という危機でより生死への距離は縮まって、文明を忘れて火に落ちる
たつ

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