たつさんの映画レビュー・感想・評価

たつ

たつ

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)

4.2

面白い。ミクロ技術の開発に成功したものの、1時間で元に戻ってしまう。ミクロの延長技術を手にした科学者がいたが、脳出血で倒れてしまう。手術のためにミクロ化して体内に潜り治すことに。

いわゆる人体破壊描
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ダークマン(1990年製作の映画)

4.2

かなり面白い。ギャングに襲われ顔を失った男、人工皮膚によって顔を作るも光の下では99分間しか保てない。彼女を守るため、ギャングへの復讐に手を染めていく。

アイデンティティを失い、新たにアイデンティテ
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東京自転車節(2021年製作の映画)

4.4

怖い。コロナ禍直撃の東京主軸の日本。田舎に仕事はなく上京、コロナ禍東京のウーバーイーツは需要が高い。タピオカひとつのために自転車を漕ぐ、という割には給料は低い。奨学金は500万。

コロナ禍ってなんだ
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戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

4.4

傑作。ポチョムキン号で乗組員たちがウジの湧いた腐った肉に怒り反乱を起こす。しかし船長はそれを銃によって弾圧、水兵のリーダーが殺され、その噂は街まで伝播。

帝政を撃破しろ!圧政者を倒せ!とオデッサの市
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普通の人々(1980年製作の映画)

4.3

事故によって亡くなった兄、生き残った弟。家族にある一緒に生きなければいけない呪いと、母の寛大な愛の虚構性を描いた秀作。

ショックから自殺未遂した弟、同じく病院にいたカレン。慢性的な自殺欲求と、自殺欲
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.5

傑作。PKOで東南アジアに出動した自衛隊、交戦許可は得られないため壊滅。太平洋戦争の敗戦、朝鮮戦争による経済成長、全てが因果によって結ばれる。

戦後60年、戦争は遠い過去のもの、現在は平和。自衛隊が
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ソルジャーブルー(1970年製作の映画)

3.9

面白いけれど、インパクトは薄いと思う。アメリカの黒歴史とも言える、ネイティブアメリカン(インディアン)虐殺。男女のロードムービーのラストに惨劇。

ただ最もsavageな映画かと言われると、そうかな?
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イントレランス(1916年製作の映画)

4.5

これは凄い。とにかくバビロンの造形、映像の勢いが凄すぎる。警察の銃撃、ストライキ、キリストの磔刑、などあらゆる怒りや不寛容、つまりIntorelanceで不幸を招いてしまう。

映画の原初、「動く写真
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裸のキッス(1964年製作の映画)

4.3

変な映画だけど硬派。やはり冒頭が強烈すぎるな、なんか事故映像を見ちゃったような気になる急な坊主。娼婦がとにかく怒る

小児性愛者と同じ「変態」とレッテルを貼られる娼婦。少し『タクシードライバー』的、蔑
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悪魔のシスター(1973年製作の映画)

4.1

面白いけど凄い既視感。冒頭のピーピングトムのテレビ番組、キャッチーで嫌で面白い。男性が殺されて、それを目撃していた記者が調査する。

スプリットスクリーンによって2者の視点を入れるのは良い。オチは知ら
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

4.3

面白い。男性の性的解放、性欲の強さはかなり普遍的。に対して女性の性の奔放さは「変態」または罪悪感を感じるもの。この話の主人公が男であれば物語性は特にない。

ラストのスカルスガルドが最悪すぎる。男の気
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ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年製作の映画)

4.3

傑作。蝋人形のような人間と同じ顔をした、愛の知らない生命体がやってきた。彼らの侵略に気づいた男が恐怖に慄く。

近くに忍び寄る共産主義の恐怖を描きつつ、共産主義を弾圧する反赤狩り的にも見える。相反する
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歓びの毒牙(きば)(1969年製作の映画)

4.2

面白い。真っ直ぐなジャッロ、黒い影に突き立てるナイフ、女性ばかりを狙う殺人鬼。ガラス越しに殺人現場を見ていたトニー・ムサンテが事件の謎を追う。ただガラス張りのところで殺人をするというのがそもそも罠>>続きを読む

東京の宿(1935年製作の映画)

3.9

犬を見て40銭だ!とかいう時代の貧しさと来たらこりゃないね

去年の夏 突然に(1959年製作の映画)

4.4

面白い会話劇サスペンス。去年の夏に旅行中に亡くなった男、彼の母は同行していた妻に怒りを覚える。所謂「信頼できない語り手」映画なんだけど、単純では無い。妻の記憶が一部分失っているけど何か真実を知ってる。>>続きを読む

冬の旅(1985年製作の映画)

4.3

自由を抑制してコミュニティに生きる難しさ、自由を選ぶと「怠惰」と思われてしまう不理解。金もない帰る場所もない少女、色んな人と色んな場所で過ごすも直ぐにさすらう。

共同体に生きる人々からは追い出され、
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V/H/S ネクストレベル(2013年製作の映画)

4.3

面白い!POVのオムニバスホラー、心霊からゾンビ、人怖にエイリアンと4種の恐怖のごった煮が狂気的でエキサイトできる。

やはり3本目"Safe Haven"人民寺院のような宗教施設。集団自殺によって受
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.2

初カウリスマキ。面白い、リストラされた夫と、レストランを買収され解雇された妻の貧困夫婦。組んでいたローンもそのままに職を2人とも失う。

貧しさを描く点でケン・ローチっぽさがあるけれど、そこまで悲壮的
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.4

面白い。ネジを捻るだけのルーティンワーク、大量の労働者、自動化されそうな食事。効率至上主義のために非人間と化していく。

病院や刑務所に入っている時間の方が豊か、パンを盗んだ女性と貧しくも慎ましく過ご
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.5

再鑑賞。復讐するという目的のために誰もが犠牲となっていく。ウン千回とこの復讐をやっていそうな哀川翔の作業感、壁に張り付けられる「容疑者」全てが堪らない。

復讐に囚われた香川照之と『蜘蛛の瞳』の復讐を
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処女の泉(1960年製作の映画)

4.8

再鑑賞。果たして今作が描いたのは信仰心の強さか、もしくは信仰心の虚無性か。親に寵愛される娘が強姦され殺害される。

オーディンに祈りを捧げるインゲリと、キリスト教への信仰が強い一家。娘の悲劇は異教の呪
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

4.1

面白い。黒人への差別が強かった60年代南部、黒人と白人が話せばKKKによる報復を受ける。失踪した3人の公民権運動家の調査に北部からやってきたデフォー。

白人が殺し、白人が裁く。黒人に事件が起きようが
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摩天楼(1949年製作の映画)

3.8

自分の建築技術を他者に変えられる盗まれる、権威や技術の独り占めは許しませんよ。という事実に怒る天才建築家って感じなんだけども、まぁ何が言いたいんですかって感じだったな

原爆の子(1952年製作の映画)

4.1

原爆投下から7年後に作られた映画、建物は復興できても被爆した人間の傷は癒えないという原爆が後世にも与える影響を描いている。

大人によってもたらされた破滅の結果と、それとは無関係そうに無邪気で悲しみの
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ある戦慄(1967年製作の映画)

4.5

かなり面白い。夜中のNYの地下鉄、走る密室で様々に問題を抱えた人物達がチンピラ2人に脅されていく不条理。他人の不幸を遠くから眺めるSNS時代を刺すようなテーマ。

事勿れ主義、波風を立てないように生き
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

4.2

面白い。寝て起きると記憶があやふやで亡くなった妻の名前を呼ぶ老爺、ナチスに家族を殺された友人と自分で存命のナチスの兵士「オットー・ヴァリッシュ」への復讐を計画する。

友人は不自由なために自分1人で旅
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ワイルドバンチ(1969年製作の映画)

4.3

かなり面白い。強盗団ワイルドバンチがメキシコのマパッチ将軍と対立する。単純に独裁者を倒して街を解放する話ではなく、マパッチと共に強盗したりする。

とにかくラストの銃撃戦が白眉。強盗団が仲間のために戦
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可愛い悪魔(1982年製作の映画)

3.8

そこそこ面白い。欲しいものは殺してでも奪う小さい女の子。新婦のベールを欲しがって窓から突き落とす、先生の人形のために先生を川から落とす。

欲がそのまま加害に向かう無邪気なinnocent、和製エスタ
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極道恐怖大劇場 牛頭(2003年製作の映画)

4.3

超面白い。突如として死んだ哀川翔のアニキの死体が突如として消えて、探し回る話だけれど出てくるキャラが滅茶苦茶、話も滅茶苦茶でバカ笑い。

牛の頭の男に顔を舐められ、母乳を搾る女将に、ヤクザ映画だけれど
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

科学の成功によって生まれたのは新たな兵器か、新たな世界か。軍拡の緊張と恐怖によって米国は世界の崩壊の火蓋を切ってしまった。

戦争の抑止力という名目、ソ連やナチスを先越したいという欲求で日本に勝った。
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.9

欲望を抑圧し夢と現実の結合を目指すプログラム、3人で島に暮らし夢を共有する。
夢を現実化させるっていう名目から、フロイト的に言えば欲望が夢に現れるわけで結局欲を断ち切れてねぇじゃねえかという。

集団
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攻撃(1956年製作の映画)

4.2

戦争映画にして戦争に向かう軍というある種の社会の恐怖、援軍を送らず下等兵を無駄死にさせる無能な大尉とそれを咎めない大佐。無駄死にした部下たちの復讐を始める。

1956年当時としては米軍は戦争を終わら
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田園に死す(1974年製作の映画)

4.2

面白い。空気入れで太る女性や小人症の男、変なサーカス団がいる田園の町で母親を嫌う少年。という映画監督の過去。過去を映像化することで過去は見世物化・虚構化する。

エロティックで煩雑で奇抜な田舎が虚飾さ
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ヴァンパイア/最期の聖戦(1998年製作の映画)

4.3

面白い。ヴァンパイアハンターズの男たち吸血鬼を殺して打ち上げをしていると、突如として大男の吸血鬼が現れほぼ全滅。

最初のヴァンパイアであるこの大男、蘇った理由は枢機卿が不老不死を願ったから。魔の存在
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.7

アトレイデスの話よりも全然ハルコンネンの話の方が気になる。非常にジョンウィック4と近いような感覚を得た。気に入らんやつは殺しちゃうジョンウィックよりドニーイェンの方が気になる!それと同じです。

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

4.4

かなり面白い。見えない神(創造主)を信じる人間と、自身の神が見えているアンドロイドの生存競争。アンドロイドが禁忌を犯す。

人間が利便性のために作ったアンドロイドがエイリアンを作り新たな神となる。『ブ
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