ジョン・カサヴェテスの初期レア作品。特集上映にて鑑賞。
インディーズで燻り続けるジャズバンドマンの葛藤を描いた、一見よくある青春映画である。
だが、ホモソーシャルな構図を撮りながらも、彼らに寄り添うのでなく、野球の場面に代表されるように、寧ろその愚かさ、滑稽さを描写している(いとうせいこう氏曰く『男のやだみ』)のが、流石カサヴェテスというべきか。
後の作品に比べると、その作風は発揮されてないが、片鱗というか、カサヴェテス感?のある、ヘンなカットは多い。ラスト、オタサーの姫の如く、笑顔のバンドメンバーたちに囲まれるステラ・スティーヴンス(しかも泣き腫らしている)という構図に、良い意味で気持ち悪さを感じた。