マヒロ

メロディー・タイムのマヒロのレビュー・感想・評価

メロディー・タイム(1948年製作の映画)
3.0
(2024.15)
様々な音楽をテーマにした中短編アニメーション集。曲の紹介があってから本編に入る形とか、ライトな『ファンタジア』みたいな感じだが、全体的に肩の力を抜いて観られるラフなノリなのが良かった。逆に言うとあんまり製作に力を入れてなさそうとも言えるが。

①冬の出来事
森の中の凍った池にスケートデートに来たカップルだが、彼氏のちょっとしたおふざけから喧嘩になってしまう……というお話。昔の雑誌の挿絵みたいなシンプルでのっぺりしたキャラデザインがオシャレ。最初から最後まで彼氏に良いとこなしで、トラブルは全部動物達が解決してくれてるのがちょっと気になる。

② クマンバチ・ブギ
飛び回るクマンバチに音符や楽器が襲いかかる、抽象的だがポップでカラフルな楽しいアニメーション。結構好き。

③ リンゴ作りのジョニー
こちらは音楽はあまり関係ない中編で、西部開拓時代にりんご作りで人々に信仰と救いを広めたジョニーの物語。雲をリンゴの花に例えるこがオシャレ。

④ 小さな引き船
子供のタグボートであるトゥートは、働く父の真似をして船を引こうとしたところ大失敗した結果港を追い出されてしまう……というお話。
ディズニーお得意の擬人化もの。トゥートのやらかしが結構な大惨事を引き起こしていて、何となく良い感じに収まってるけどそれで良いんかと思ってしまうがそこはご愛嬌。タグボートというものの存在を初めて知ったが、あんな小さな船で巨大な船を引っ張れるものなんだろうか。

⑤ 丘の上の一本の木
タイトル通り丘に生える一本の木を描いた、抽象的でアーティスティックな作品。朝焼けの美しさをシンプルな色遣いで見せたりと、地味ながら印象深いカットが多く一番好きだったかも。

⑥ サンバは楽し
ドナルド・ダックと仲間達がサンバで踊り狂う作品。実写の女性が出てくるところとかも含めて『三人の騎士』みたいな狂気が見られるかと期待したが割とおとなしめだった。

⑦ 青い月影
コヨーテに育てられたという伝説のガンマン、ビルのお話。荒唐無稽を絵に描いたようなめちゃくちゃ続きのストーリーで、ありえんことが起こりまくるのがアニメならではって感じで良かった。
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