邦題が、誰も観たがらない位ダサいけど、ウェス・アンダーソンと大学の友達のオーウェン・ウィルソン、その兄弟のルーク・ウィルソンのメジャー映画デビュー作。この兄弟よく似ている。そしてウェスとオーウェンの出会いはその後も監督と役者、時に脚本家として続いて行く。何とも感慨深い。
低予算で、粗も目立ち、後のウェスを知っていると全く違う様に思えるが、この時からウェス作品をウェス作品たらしめる物は既にあった様に思う。ルックで言えば急激なパン、情報量、浮世離れした感覚、編集テンポ等だ。この頃から役者の演技をさせない方針だったのだろうが、今に比べれば皆が芝居をしている。ウェスを後々にウェスたらしめる甘く可愛いルックは0と言って差し支えないが、出てくる物にとても気を遣っているのは感じる。
ウェス作品の子供が大人の様に振る舞い、大人が、大人の様に振る舞う子供の様に見えるのは、この時からだったのだ。大人になりきれない大人気ない大人の男たち。
仲直りの印や、心が通じた時の握手。そして無表情に「握手して頂いても?」と伺いを立てる。
子供同士が言う‘Will you excuse us?’や‘That’s Inappropriate, that’s unexcusable, that I don’t forgive’のパンチラインも多くて笑った。
細かい所でオーウェン・ウィルソンのキャラクターに感情移入しながら観た。