囚人13号

秘密指令(恐怖時代)/秘密指令 The Black Bookの囚人13号のレビュー・感想・評価

4.0
戦艦ポチョムキンに次ぐ、ショッキングな顔面クロースアップが見られる。それは恐らくアメリカ映画史上初めて、人間の顔面が発砲によって血に染まった瞬間でもある。
ラストで独裁者が死んでから新たな大物(彼がフランスを立て直すのは言うまでもない)が後ろ姿で登場する。後の素晴らしい時代を示唆する粋なエンディングに感服。

本作はギロチンで始まり、ギロチンで終わる。絞殺、拷問、放火なども出てくるが見せ方が全て捻られているためあまりの巧妙さに驚く。パンを食べながら拷問を眺め、松明で放火し、鏡に映った手だけで絞殺とわからせる説得力。裏切りという主題が最も色濃く現れており、珍しく女性が活躍する。歴史劇スパイ・ノワールという新ジャンル開拓…。
囚人13号

囚人13号