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さらば愛しき女よのBaadのレビュー・感想・評価

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)
2.5
エドワード・ドミトリックの前作をビデオで見た後見ました。

撮影等で上手くノスタルジックな雰囲気を出していてそれが売りになっているとは言うものの、ノワールとしては長大になりすぎて今ひとつぴりりと来ない。
ゴージャス過ぎてなぜこの映画に出て来るか意味不明のシャーロット・ランプリングはミスキャスト。
熱演するも前作のクレア・トレヴァー(「駅馬車」のヒロインを演じた女優)の切実な演技には遠く及ばない。
なにより可憐なアン・シャーリーがいないことと、ミッチャムの高齢が物語をぶち壊している。

前作も、ノワールとしては標準的な出来で、大傑作と言うほどでもなかったと思いましたが、この映画は、雰囲気だけノスタルジックに再現したピントのずれたオールスターキャストのリメイクの典型でした。
大金をかけてセットを作りこんで、ミッチャムが西海岸での時代の変遷を語る部分がリメイク作の一番良いところなのでしょうが、その分物語のシャープさが損なわれたということは否めません。

この映画を見たがために、低予算の普通のノワールであるドミートリックの映画の良さが分かっただけでも良しとするか・・・

(雰囲気だけ 2008/8/14記)
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