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サイコ3/怨霊の囁きのtakのレビュー・感想・評価

サイコ3/怨霊の囁き(1986年製作の映画)
2.8
ヒッチコックの名作にして怪作「サイコ」には続編が製作されている。第2作が83年に製作されたのにも当時なんで?と驚いたけど、あれはまぁそれなりにオリジナルへの敬意も感じられて、思った程悪いとは思わなかった。ヒッチコック好きの妹たちとキャアキャア言いながらテレビで観たっけ。

しかしながら。それに続く第3作「サイコ3怨霊の囁き」以降は、申し訳ないけど魅力的なものとは思えなかった。第3作はなんと、アンソニー・パーキンスが監督兼主演!。かつては王子様みたいな好青年、線の細い繊細な役柄を演じていたのが、「サイコ」の当たり役でダークなイメージが定着してしまった人でもある。70年代末期には男性化粧品のCM(「僕のお父さんはお母さん以外の女性を知りません。立派だと思います。」というナレーションが、子供心に強烈に焼きついた。何が言いたい?なぜその文句?😐)に出演して、にこやかな笑顔をお茶の間に届けていたのに。

そのCMがこれね。
https://youtu.be/OaWlFDvIZgA

その数年後に「サイコ2」だ。かつてのパブリックイメージをひっくり返したノーマン・ベイツの呪縛なんだろうか。

「サイコ3」も本人が嬉々として演じている。あのベイツモーテルに、第1作のジャネット・リーを思わせる女がやって来た。そして再び惨劇が起こるというお話。監督としては、まずまずツボは押さえている印象だが、残念ながら登場人物それぞれのキャラクター描写が薄くって。殺されに出て来てまーす、ってそれ以上のものが感じられなかった。

「ダーティハリー」のブルース・サーティーズが手がけた撮影が好印象。ミステリーやホラーにありがちな主観移動もスリリングで、当時流行りの血しぶき描写ばかりでない、思ったより上品なスリラーに仕上げている。
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