mimicot

ポゼッションのmimicotのレビュー・感想・評価

ポゼッション(1981年製作の映画)
4.0
一部のファンから熱狂的に支持を受けるカルト映画。やっとレンタル出来て嬉しい。予想を上回るアヴァンギャルドかつ不条理な作品だったけど、こういう作品との出会いは、新たな経験をしたような気持ちになります。

舞台は東西冷戦時代の西ドイツ。
長い単身赴任を終えた夫マルクは、妻子が喜ぶぞ~!と帰宅した。なのに...妻アンナの態度がなんか変。
アンナには夫以上の存在が⁈

始めは泥沼夫婦喧嘩に過ぎないのだけど、それが徐々にエスカレートしていき...異様な展開に、、
みんな何かに取り憑かれてるの?
それはもう狂気という名の、過激な演出のオンパレード!

何より美しいイザベル・アジャーニの、猟奇的で破滅的な、凄まじいまでの狂気に目が釘付け。
地下通路での、のたうち回る一人芝居はただただ衝撃的で、本当に狂ってしまったのかと見紛うほど。
撮影中は泣いてたそうなので、カンヌ映画祭主演女優賞を獲得出来て本当に良かったです。

強烈過ぎて一見過激な映像を撮ってるだけかと思うけれど、計算し尽くされたようなカメラワークも素晴らしかった。

夫婦は、理想と現実のギャップに苦しんでいたのかもしれない。
イザベル・アジャーニが一人二役した瓜二つの女性は、マルクの理想の妻像で、あのクトゥルフ神話みたいな...のはアンナの理想の夫像だったのかな。よくわかりませんが、ラスト15分以外は監督自身に起こったことだそうです。愛憎を感じました笑

愛に苦しむ夫婦の物語。

万人受けを拒否した世界観だけど、面白かった。
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