浅野公喜

デモンズ・キラー/美人モデル猟奇連続殺人の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.3
ヌード雑誌を手掛ける出版社の女社長の周りの人間が次々と殺される、イタリアンホラーの巨匠マリオ・バーヴァ監督の息子ランベルト・バーヴァ監督によるジャーロ。邦題は彼が「デモンズ」シリーズを手掛けたことで付けたと思われます。

あまり評価は高くないのでそこまで期待せずに観ましたが、犠牲者が少なければ魅力的な殺人も少なく、遺体を飾るのはそれなりにスタイリッシュながらその全体的なビジュアルは同時期の「アクエリアス」に劣り、犯人の正体もいまいち腑に落ちない(+皆さん割と胸は大きいが個人的にタイプの女性が少ない 笑)のでその評価の低さもなんとなく納得出来るものでした。

しかしながら女性モデルが殺される際に何故か顔が一つ目小僧や虫になってるのは意味不明ですが超個性的で殺人現場の豪邸を染める赤と青のライティングはジャーロらしい雰囲気に満ちており、中盤のデパートにおける何らかのメタファーと感じるマネキンの頭の粉砕、エレベーターのシーン辺りはなかなかスリリングな印象を受け、ジャーロ好きなら観て損はしないはず。

前述の「デモンズ」「アクエリアス」にも出演していた俳優が何人か登場し、Imdbによると脚本が変更されるまで今作にも携わっていたというダリオ・アルジェント監督の嫁だったダリア・ニコロディ、同時期「Boys」という曲(アヤ・スギモトもカバー)がヨーロッパでヒットしていたサブリナが同名の役で出演。ちなみにサブリナのグラビア撮影時、彼女を取り囲んでいたミイラのビジュアルがアイアン・メイデンのマスコットキャラであるエディー風なのが少し気になりました(笑)。
浅野公喜

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