TAK44マグナム

パーフェクト・ウェポンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

パーフェクト・ウェポン(1991年製作の映画)
3.2
90年代といえば、スタローンやシュワちゃんの次を虎視眈々と狙うアクション俳優たちが跋扈していた時代。
人間核弾頭ドルフ・ラングレンや、沈黙のスティーブン・セガール、そしてヴァンダホーなジャン・クロード・ヴァンダムなど、本物の格闘家から転身、ブレイクを狙う次世代スターが続々と台頭してきました。
「俺も映画スターになって稼ぎたいぜ!」などと夢を膨らます輩が増えるのも当然です。
アメリカン空手の有段者であるジェフ・スピークマンもそのひとりでした。

タイトルを挙げればキリがないほど、当時のレンタルビデオ屋の棚には、どこの誰だか分からないような俳優を主演に据えたB級アクション映画が揃っているような、実に愉快な時代だったわけです。
「ランボー」や「ターミネーター」のバッタもんや、突如として流行したニンジャもの、ジャッキー以外の香港製カンフーもの等々、怪しげな映画が棚を賑わしていました。
そんな、レンタル店に足繁く通ってアクション映画をサルベージしていた頃、ふと目にとまった一本のビデオ・・・
それが本作、「パーフェクトウェポン」であり、主演がジェフ・スピークマンだったのです。
まずタイトルが分かりやすくて格好良いのが好みでした。
「完全兵器」ですよ。かなり強そうじゃないですか。
というか、なんとかウェポンっていうタイトルの映画に弱いんですよね。ウェポンって響きに惹かれちゃうというか。
どうせ中身なんて観てみないと分からんので、パッケージから得られる情報は「釣りエサ」として機能します。
その日は、「パーフェクトウェポン」というタイトルに、見事に釣られちゃったわけですね。

コリアンな悪党どもに恩師を殺害された若き拳法家が、復讐のために戦うといった、何の捻りもないストーリー。
ですが、ジェフ・スピークマンの動きが思いのほかキマッているので、何だかんだ言いつつも最後までちゃんと観られます。
悪党を瞬殺してゆく、その動きは映像でこそ映える感じで、映画向きと言えるでしょう。
ルックスも、これといった特徴にとぼしいのですが、基本的に甘いマスクなので正義の主人公を演じるに違和感がありません。
残念ながら、俳優人生に限れば華やかなフィルモグラフィーでは無い様ですが、何故だか20年以上たった現在でも、記憶に(微妙に)残っています。

古めかしいし、マーシャルアーツをみせるだけの単純な映画なので、どこかの中古ビデオ屋のワゴンで見つけたとしても決してお薦めしたりはしませんが、奇跡のDVD化でもしたら思わず衝動買いしちゃいそうです。


レンタルビデオにて