もめん豆腐

アルゴのもめん豆腐のレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.4
まさかこの映画でThe Rolling StonesのKeithRichardsソロ曲 Little T& A が聴けるとは思わなかった!ほんの一瞬なんだけど、これだけで気分が爆上がり!素晴らしい!
本題、これを観るにあたり小一時間ほどイラン革命、白色革命、ホメイニ氏、モハンマド・レザー・パフラヴィーについて検索した。軽く調べるつもりだったのに、つい熟読。それはイラン革命があった当時あてくしは小学校低学年だったんだけど、我が家の方針で朝は“絶対に”NHKのニュースしか見てはならぬとのおふれがあり、朝ご飯を食べながら見ていて、当時ニュースの意味はわかっていなくてもイランの混乱は知っていた。特にホメイニ氏はホメイニシが名前だとばかり思っており、氏だと知ったのはそれからさらに時を経てからだった。しかも何故、氏呼びだったのかを知ったのは、それからさらに後になる。この時代は紛争が多く、北アイルランド紛争(フォークランド紛争だと記憶してたけど違うのかな)もイラン革命と共に毎日報道されていた。この映画ではアメリカ側からの視点で描かれているからイランが一方的に野蛮な国のように見えるが、事実は決してそんなことはない。アメリカお得意の傀儡が失敗しただけ。ラストもあの使用人の女性についてほんの一瞬しか描かれていないが、心から彼女に同情する。きっと殺されたか生きていてもご苦労を重ねただろうと容易に想像出来る。
話を映画に戻すと、話自体は面白い。大使館員の救出を映画撮影で敢行しようなんて、とんだ面白ヤローなんだけど自転車こぎこぎよりはずーっとマシ。観ながらハラハラしたのは思ったより準備に時間をかけてるなと感じたこと。いやいや絵コンテもポスターもいらないじゃんか、な〜んて思ってたあてくしが浅はかだったね。あの主人公は相手が“本気”で殺しにきてることを理解しているからこそ“本気”で嘘を作り上げなくてはいけないと、取り掛かってたんだと後半でやっと理解した。早さだけを求めていたら相手は真剣なのだから絶対に見破ってくる。真剣な相手に真剣に嘘を作り上げる、それがこの映画の醍醐味。時間との戦い。
話の大本の救出劇+トニーの家族の話やハリウッドの裏話もちょうどいい匙加減で描かれていて話を広げすぎず、クスりと笑えるのも良い。
話以外で気になったのは、この70年代の服装やメガネが忠実に再現されていると感じられたところ。そうそう!こんな感じでモサかった🤭子ども心にこれがカッコいいのか!?そうなのか!?と思ってたから、よ〜く覚えてる。日本だとサーファーカットとか丘サーファーなんてのが流行ってたような。その後に竹の子族がきていた僅かな記憶 遠い目。
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